正しい業者の選び方
先日、耐震補強工事を行ったビルオーナー様から
耐震診断を依頼する前は、どの業者を選んだら良いのかすごく迷ったんですよね。
そもそも何をすれば良いのかも分からないので、悪徳業者に不安を煽られれ高額請求されたらどうしようとか不安もありましたが、今回は事前調査の問い合わせの段階から親切丁寧に説明いただき不安なく進めていただくことができました。
本当にありがとうございました!
このように嬉しいお言葉をくださいました。とても嬉しくなったと同時に
「そうだよな。オーナー様からしたら業者を選ぶのって不安もあるよな。」と改めて感じました。
そこで、今回の記事では耐震診断・補強工事を行う際の業者の選び方についてポイントをお伝えしていきます。
※当サイトは、ビル・ホテル・旅館・工場・商業施設・学校など大規模な建物の耐震診断について発信しています。
【耐震診断・補強工事】業者選びのポイント!
耐震診断や補強工事には、安くない費用がかかりますので騙されたくない!
と思うのはもちろんのこと、その目的は もし大きな地震が起こったときに大切な人命や財産を守る力が建物に備わっているのか、補強が必要なのか?を診断し対策することなので手抜き工事や偽装工事をする悪徳業者に引っかかりたくないですよね。
そのため、
- 不明点を分かりやすく説明してくれて
- 必要のない工事を勧めてこない(不安を煽らない)
- 適正価格で提案してくれて
- しっかりと調査ができる
以上のような業者を選びたいものです。
このような点を踏まえて、業者選びの具体的なポイントを紹介します。
ポイント1:詐欺や詐欺まがいにお気をつけください
突然訪ねてきた業者・恐怖心をあおる業者に気をつける
アポもなく急に訪ねてきて「この建物は、かなり老朽化していますね。地震がきたら崩れますよ。」
や「このまま何もせずにいると大変なことになりますよ。」など不安を煽り耐震診断をするように迫る業者にはご注意ください。
建物をちょっと見ただけで耐震診断が必要かどうか判断することは出来ません。
耐震診断が必要か判断するためには、事前調査にて図面の有無の確認や建物の目視調査などを行います。
建物の規模にもよりますが、専門家が2時間~8時間ほど掛けて行う調査ですので突然やってきた営業マンに判断できるものではありません。
即断を迫るしつこい営業
万が一、本当に耐震診断の必要があったとしても、その場で急いで契約をする必要はありません。
業者の実績を調べたり、他の業者に見積りを依頼して相場を確認してみるなどしてみるといいでしょう。
ただし、補助金や交付金などの締め切りがある場合があり、それを理由に即断を迫られることもあります。
その場合、国土交通省や地方自治体のホームページを確認したり問い合わせをして期日の確認はもちろんのこと、条件・要件の確認も行ってください。
例えば、大阪府の「広域緊急交通路沿道建築物耐震化促進事業」では次のような要件です。
主な補助要件 (詳細は交付要綱参照)
- 1)住宅建築物耐震10ヵ年戦略・大阪に規定する耐震診断義務付け対象路線にその敷地が接する通行障害建築物で、昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したもの(国又は地方公共団体の所有するものを除く)
- 2)対象費用について他の補助金等の交付を受ける事業でないこと。ただし、耐震対策緊急促進事業を除く
- 3)診断結果について、耐震評価機関(※1)による評価書の交付を受けたものであること
- 4)耐震診断を行う者は次の要件をすべて満たすこと(※2)
- 建築士であって国土交通省の登録講習を受講していること
- 大阪府の説明会を受講していること
- 担当技術者に構造設計1級建築士を配置していること(新築設計時に関与が必要な建築物に限る)
- 5)令和2年(2020年)3月31日までに診断結果を所管行政庁へ報告すること。ただし所管行政庁から診断結果を報告するよう命令を受けた期限までに診断結果が報告されるものであること。
この場合、期日までに耐震診断を終えている必要があります。スケジュール的に問題がないのかも併せてご確認ください。
専門用語ばかりで、わかりやすく説明をしてくれない業者
説明の際に、専門用語を多用してわかっていなくても強引に話を進める業者は避けたほうがいいですね。
耐震診断や耐震補強工事は1日、2日で終わるものではなく数ヶ月~長ければ1年以上かかる場合もあります。(建物の規模によっても異なります。)
長い期間のお付き合いとなり、途中で「やっぱり止~めた」と簡単に取り消せれるものでもありませんので、信頼関係を築けない業者とは契約しない方が懸命です。
また、説明を求めてもきちんと説明ができない業者も危険です。後述しますが、この道◯十年というベテラン業者でも、耐震診断や耐震補強工事はやったことがないという業者もザラにいます。
つまり、耐震に関する知識がないために説明ができないということです。
何か違和感を感じた場合は、取引しない方がよいかと思います。
極端な値引きには注意
見積書を見て費用面で悩んでいるときに、いきなり「半額にします!」など極端な値引きがあった場合はご注意ください。
耐震補強工事の見積書には、建物を診断した上で必要な材料や補強工事を行う箇所に応じてそれぞれの専門家の人件費など計算され算出されています。
大幅な値引きがあるということは、そのほとんどは材料費で調整されることが多く、補強能力のない粗悪な材料に変更されたり、人件費を削られる場合は手抜き工事につながる可能性も避けられません。
そのため「予算オーバーなんです。」と言ったときに、大幅に値下げをする業者は避けたほうがいいですね。
とはいえ、本当に予算オーバーな場合もあると思います。その際は、業者に相談なさってみてください。良心的な業者であればご予算に応じて補助金や交付金でカバーできる金額を知らせてくれたり、コストを下げた場合の変更点や、そのリスクを説明しながら価格交渉に応じてくれます。
ポイント2.資格について
耐震診断や・耐震補強工事を行うには、構造計算や設計などができる建築士1級など建物の規模に合わせた資格が必要です。
また、耐震改修促進法の改正により耐震診断の結果報告が義務付けられた建築物の耐震診断は、国土交通大臣登録耐震診断資格者講習(耐震診断資格者講習・耐震改修技術者講習)を受講修了した耐震診断資格者でなければ出来ないとされています。
こういった資格の有無を確認しておくと、より信頼して任せることが出来ます。
耐震診断の義務付けについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ポイント3.実績を確認する
耐震診断や補強工事は、専門的な知識と高度な技術が必要なため、今日・明日にできるようになるものではありません。老舗の業者でも補強工事の経験がゼロということも珍しくないのが現状です。
逆に、豊富な実績があれば専門知識やノウハウも持っているので安心して任せることができます。
そのため、有資格者できちんと耐震診断・耐震補強工事の経験がある業者を選んで依頼する必要があります。
豊富な実績がある業者であれば、会社のホームページに実績を掲載しアピールしているので気になる業者があればホームページをチェックしてみてください。
耐震診断や補強設計・改修工事などの実績件数を掲載しているサイトもあれば、実際に耐震改修工事を行った建物の情報を掲載しているサイトもあります。その中でも、建物の名前も含めて実績を紹介している会社であれば更に信頼度も高いですね。
最後に
ここまでに耐震診断・耐震補強工事を行う際の業者の選び方についてお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか?
もし、「耐震診断について相談したいんだけど・・・」や「何から進めれば良いのかわからないのですが・・・」などがありましたら、どんなことでも構いません、お気軽にお問い合わせください。
心よりお待ちしております。
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