🌀 建物の「偏心(重心のズレ)」が招くねじれ破壊:診断結果から読み解く、最も危険な壁の配置

地震が発生した際、建物が「ただ揺れる」のではなく、コマのように「回転しながら壊れる」現象があることをご存知でしょうか。これが、耐震設計において最も警戒すべき事象の一つである**「ねじれ(捩れ)破壊」**です。 

なぜ、ある建物はまっすぐ耐え、別の建物はねじり切られるように崩壊してしまうのか。その鍵を握るのが、建物の**「偏心(へんしん)」**という概念です。耐震診断の結果を読み解く上で、この偏心を理解することは、貴社のビルや工場の「真の弱点」を特定するために不可欠です。本記事では、診断データから見えてくる「最も危険な壁の配置」とその対策について深掘りします。 

 

「重心」と「剛心」のミスマッチが悲劇を生む 

建物には、2つの重要な「中心点」が存在します。この2つの距離が離れているほど、建物はねじれやすくなります。 

1. 重心(じゅうしん) 

建物の重さの中心です。家具、設備、構造材の重さがどこに集中しているかを示します。 

2. 剛心(ごうしん) 

建物の強さ(硬さ)の中心です。耐震壁や柱がどのように配置されているかによって決まる、「揺れに対する抵抗力の中心」です。 

地震の力は「重心」にかかり、建物は「剛心」を軸にして踏ん張ります。この2つの点が大きくズレている状態を**「偏心(へんしん)」**と呼びます。偏心があると、地震の力によって建物に巨大な「回転モーメント(回転しようとする力)」が発生し、特定の柱や壁に設計時の数倍の負荷が集中します。 

 

診断結果から読み解く:最も危険な「壁の配置」とは? 

耐震診断書には、このズレの度合いを示す**「偏心率(Re)」**という数値が記載されています。数値が大きいほど危険ですが、特に注意すべきは以下のような壁の配置パターンです。 

  • L字型・コ字型の建物: 建物の形が複雑な場合、必然的に重心と剛心が離れます。角の部分に応力が集中し、そこから引き裂かれるように破壊が始まります。 
  • 「片側」だけに集中した耐震壁: 例えば、道路側を全面ガラス張り(開口部)にし、裏側にだけ耐震壁を配置している店舗兼ビル。この場合、剛心が壁のある側に極端に寄り、壁のない側(ガラス側)が振り回されるように大きく揺れ、柱が折れてしまいます。 
  • 1階だけ壁が少ない「ピロティ構造」: 1階が駐車場などで壁が少なく、2階以上に壁が密にある建物。上下方向の偏心(剛性の不連続)も加わり、1階で激しいねじれが発生し、一瞬で押し潰されるリスクが高まります。 

 

ねじれ破壊を防ぐための「診断後の処方箋」 

診断で「偏心率が高い」と判定された場合、単に壁を増やすだけでは不十分です。むしろ、壁を増やす場所を間違えると、さらに偏心を悪化させることさえあります。 

A. 剛心のバランス調整 

壁が少ない側に重点的に耐震壁や鉄骨ブレスを増設し、剛心を重心に近づけます。これを「偏心を抑える設計」と呼びます。 

B. スリットの設置 

あえて強すぎる壁の一部を構造体から切り離す「耐震スリット」を設けることで、剛性のバランスを整え、ねじれを解消する手法もあります。 

C. 制震装置による回転エネルギーの吸収 

建物の四隅など、ねじれの影響を最も受けやすい箇所に「オイルダンパー」などの制震装置を配置します。回転しようとするエネルギーを熱に変えて吸収し、建物全体の揺れを鎮めます。 

 

貴社建物耐震診断書に、「偏心率(Re)」が0.15超える数値で記載されていませんか? 数値上は安全(Is値が高い)に見えても、ねじれの影響を考慮すると実際耐力大幅低下している恐れがあります。構造解析データ再検証し、「ねじれに対する真の安全性」を診断する**「偏心リスク精査レポート」知りたい方は、無料で3分完了する「耐震ウェブ診断」ご利用**ください。 

▶︎ [https://taishin-senmon.jp/diagnosis/ ] 

 

セルフチェック:あなたのビルの「偏心」サイン 

  1. 建物の一面だけ窓が極端に多い: 外壁のバランスが不均等な場合、高い確率で偏心が生じています。 
  2. 階段室やエレベーターシャフトが端に寄っている: RC造の階段室などは非常に硬いため、これが隅にあると剛心を強く引き寄せます。 
  3. 過去の地震で「特定の角」だけに亀裂が入った: ねじれによる応力集中がすでに起きている証拠です。 

 

建物の「バランス」は「強さ」に勝る 

どれほど強固な材料を使っていても、バランス(偏心)の悪い建物は、地震の力によって自らねじり切られてしまいます。耐震診断で重要なのは、単なる「Is値(強度)」だけでなく、「どこがどのように揺れるのか」という動的なバランスを把握することです。 

建物の歪みを整えることは、地震の力をいなす第一歩です。 重心と剛心を対話させ、調和の取れた構造へと導くこと。これこそが、想定外の揺れから資産と命を守るための、最も理にかなった診断と補強のあり方です。 

貴社は、この**「偏心」という隠れた爆弾診断見つけ出し**、いかなる方向からの揺れにもビクともしない盤石なバランスを、いつ、手に入れますか?