🌋 内陸直下型vs海溝型:揺れ方の違いによって変わる大規模建築物のダメージ箇所の特定

日本を襲う巨大地震には、大きく分けて2つのタイプがあります。都市の真下で発生する「内陸直下型地震」と、海のプレート境界で発生する「海溝型地震」です。これらは単に発生場所が違うだけではありません。建物に伝わる「揺れの性質」が根本的に異なるため、大規模建築物が受けるダメージの場所や現れ方も劇的に変わります。 

もし、貴社が管理する建物の耐震対策が一方のタイプしか想定していなければ、もう一方の地震が来た際に、予想外の箇所から崩壊が始まるリスクがあります。本記事では、地震のタイプ別に大規模建築物のどこに負荷が集中し、どのような破壊が生じるのかを徹底解説します。 

 

内陸直下型地震:突き上げる「縦揺れ」と猛烈な「短周期」 

阪神・淡路大震災や熊本地震に代表される直下型地震は、震源が浅く、建物に衝撃的なエネルギーを直接叩きつけます。 

特徴:激しい加速度と「キラーパルス」 

直下型地震の揺れは、ガタガタという小刻みで速い揺れ(短周期地震動)が中心です。特に「キラーパルス」と呼ばれる、木造住宅や中低層ビルを一瞬でなぎ倒す周期の揺れが含まれるのが特徴です。 

ダメージが集中する箇所:1階の柱と接合部 

  • 1階のピロティや柱: 猛烈な水平力が一気に加わるため、1階の柱が耐えきれず押し潰される「パンケーキ崩壊」が起きやすくなります。 
  • 梁と柱の接合部: 急激な衝撃により、鉄筋が引きちぎられたり、溶接部が破断したりする「脆性破壊(ぜいせいはかい)」が頻発します。 
  • エレベーターや設備の脱落: 縦揺れの影響を強く受けるため、エレベーターのレールが歪んだり、屋上の大型設備がボルトごと引き抜かれたりします。 

 

海溝型地震:ゆったりと長く続く「長周期地震動」 

東日本大震災や、今後懸念される南海トラフ地震がこのタイプです。震源が遠くても、揺れは減衰せずに都市部まで届きます。 

特徴:長く続く大きな揺れと「共振」 

海溝型地震は、数分間にわたってゆっくりとした大きな揺れ(長周期地震動)が続くのが特徴です。この周期が、高層ビルや大規模建築物の「固有周期」と一致すると「共振」が起き、建物の揺れが数百倍に増幅されることがあります。 

ダメージが集中する箇所:上層階と非構造部材 

  • 上層階の激しい変位: 1階よりも屋上の方が数メートルも大きく揺れることがあり、上層階の構造部材に継続的な疲労が蓄積します。 
  • 内装材・天井の崩落: 長時間の揺れにより、天井材を吊っているボルトが金属疲労を起こし、広範囲にわたって落下します。 
  • 家具・備品の凶器化: 衝撃的な揺れではなく「振り子のような揺れ」が続くため、固定されていないコピー機や棚が室内の端から端まで高速で移動し、壁や人を破壊します。 

 

どちらの地震にも耐えるための「診断の読み解き方」 

従来のIs値(構造耐震指標)は、主に直下型地震のような「強さ」を測る指標として有効ですが、海溝型地震のような「共振」や「疲労」を完全に評価するのは困難です。 

  1. 「時刻歴応答解析」の重要性: 最新の診断では、過去の地震波や予測される南海トラフの波形をデジタル上で建物に入力し、階ごとの挙動を確認します。これにより、「1階は無事だが、15階の柱に亀裂が入る」といった具体的な予測が可能になります。 
  2. 非構造部材の耐震化: 「建物さえ壊れなければいい」という考えは海溝型地震では通用しません。天井、スプリンクラー、エレベーターといった非構造部材の耐震支持が、長時間の揺れ(数百回の繰り返し負荷)に耐えられるかを個別に点検する必要があります。 

 

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地震タイプ別・優先すべき対策アクション 

  • 直下型対策: 1階の柱への鋼板巻き補強や、耐震壁の増設による「剛性(硬さ)」の強化。 
  • 海溝型対策: オイルダンパーや粘弾性ダンパーといった「制震装置」の設置。これらは揺れのエネルギーを吸収し、共振による増幅を抑え、上層階の被害を劇的に軽減します。 

 

敵を知り、適切な盾を構える 

「地震対策」と一括りにせず、敵が「衝撃(直下型)」なのか「共振(海溝型)」なのかを理解することが、コストを抑えつつ最大の安全を得るための近道です。 

内陸直下型は一瞬の破壊を、海溝型は長時間の翻弄をもたらします。 大規模建築物を守るためには、この両方の性格に対応した「ハイブリッドな診断」が欠かせません。データに基づいた対策こそが、震災後も事業を止めず、従業員の命を守り抜く唯一の方法です。 

貴社は、この**「性質の異なる2つの脅威」正しく把握し、いかなる揺れにも屈しない盤石な拠点**を、いつ、確立されますか?