🏗️ カーテンウォールと石材外装の層間変位追従性:構造体の揺れが周囲へ及ぼす二次被害の定量的予測

大地震が発生した際、テレビやニュースで映し出される「建物の倒壊」は確かに衝撃的です。しかし、現代の都市部における耐震設計の基準では、構造体そのものが崩れることは稀になりつつあります。その一方で、今新たな脅威として浮上しているのが、建物の外装材――特にカーテンウォールや石材パネルの「脱落」です。 

建物の骨組み(構造体)は、地震のエネルギーを受け流すためにあえて「しなる」ように設計されています。しかし、その表面を覆う硬い外装材がこの動きに追従できなければどうなるでしょうか。凄まじい力が接合部に集中し、数百度に及ぶ重量の石材や巨大なガラス板が地上へと降り注ぐことになります。本記事では、この「層間変位追従性」という専門的な視点から、建物外装の二次被害リスクをいかに予測し、防ぐべきかを徹底解説します。 

 

「層間変位」:建物のしなりが外装を攻撃する瞬間 

地震が発生すると、建物の1階と2階、2階と3階の間には、水平方向のズレが生じます。これを「層間変位(そうかんへんい)」と呼びます。 

1. 構造体は「動く」、外装は「耐える」 

鉄骨造の高層ビルの場合、地震時に各階の間で数センチから十数センチのズレが生じます。このとき、外装材が壁にガッチリと固定されていると、建物の歪みに耐えきれず、外装材自体が割れるか、あるいは固定しているボルトが引きちぎられます。 

2. ロッキング・スライド機構の限界 

現代のカーテンウォールは、建物の動きに合わせてパネルが「回転(ロッキング)」したり「滑る(スライド)」ことで力を逃がす設計になっています。しかし、竣工から数十年が経過した古いビルでは、接合部の腐食やシーリング材の硬化により、この「逃げ」の機構が機能不全に陥っているケースが多々あります。 

 

石材外装に潜む「重量」という凶器 

ガラス張りのカーテンウォール以上に深刻な被害を招くのが、高級感を演出するために多用される「石材外装」です。 

  • 石材の脆弱性: 石材は圧縮には強いですが、引っ張りや曲げには非常に脆い(もろい)性質があります。建物の揺れによって石材パネルにわずかな「捻じれ」が生じただけで、目に見えないクラック(ひび割れ)が走り、一気に崩壊へと繋がります。 
  • 湿式工法の罠: 昭和期に多く採用された「湿式工法(モルタルで石を貼り付ける手法)」は、層間変位に対する追従性がほぼゼロです。地震が起きた際、建物がしなった瞬間にモルタルとの界面で剥離が起き、巨大な石の塊が「面」で剥がれ落ちるリスクがあります。 

 

二次被害をゼロにするための「定量的予測」 

「おそらく大丈夫だろう」という主観的な判断は、人命に関わる事故を招きます。最新の耐震診断では、外装材の脱落リスクを数値化(定量化)するプロセスが重視されています。 

A. 限界層間変位角の算出 

各階のズレが「何分の1」までなら外装材が耐えられるかを計算します(例:1/200、1/100など)。これと、想定される地震による建物の応答変位を照らし合わせます。 

  • リスクの可視化: もし、建物の予測される揺れが「1/150」であるのに対し、外装材の追従限界が「1/200」であれば、その建物は地震時に必ず外装が脱落するという結論になります。 

B. 接合部(ファスナー)の残存耐力評価 

外装材を支えている金属製のパーツ(ファスナー)の腐食状況を、非破壊検査や一部サンプリング調査で確認します。長年の結露や雨水によって錆びたファスナーは、設計時の数分の一の力で破断してしまうからです。 

 

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脱落を防ぐための「攻め」の耐震改修 

診断の結果、リスクが高いと判断された場合、以下のような対策が必要となります。 

  1. 乾式工法へのコンバージョン: 古い湿式工法の石材を一度撤去し、ステンレス製の強固な金物で一点ずつ支える「乾式工法」に改修します。これにより、建物が動いても石材が独立して動けるようになり、破壊を回避できます。 
  2. 層間変位を抑える「制震ダンパー」の設置: 外装材をいじるのではなく、建物全体の揺れ(変位)そのものを抑えるアプローチです。オイルダンパー等を設置して建物のしなりを最小限にすれば、必然的に外装材にかかる負担も軽減されます。 
  3. 飛散防止フィルムとメッシュ固定: ガラスの飛散を防ぐフィルムの貼付や、石材の脱落を物理的に食い止めるネット・メッシュによる補強を施します。これは比較的低コストで即効性のある対策です。 

 

外装の安全性は「社会的責任」そのものである 

建物の内部にいる人の安全を守るのが「構造耐震」なら、建物の周囲を通る人々の安全を守るのが「外装耐震」です。特に都市部のビルにおいて、外装材の脱落は企業の社会的信用を一瞬で失墜させる重大事故に直結します。 

「建物が倒れなければいい」という時代は終わりました。 構造体の揺れを予測し、その動きに外装がどう耐えるのかをデータで把握すること。この精緻なリスク管理こそが、真のレジリエンス(回復力)を備えた建築物の条件です。 

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