大地震の直後、自治体から派遣された調査員が建物の入口に**「赤・黄・緑」の紙を貼っていく光景を目にしたことがあるかもしれません。これが「被災建築物応急危険度判定」**です。
もし貴社のビルに**「赤紙(危険)」が貼られれば、たとえ倒壊していなくても、その瞬間から立ち入り禁止**となり、事業継続は完全にストップします。判定士がどこを見て「赤」を下すのか、その評価基準を逆手に取った事前の構造チェックポイントを解説します。
応急危険度判定の「3色の真実」
判定士の使命は「二次災害(余震による倒壊や落下物)を防ぐこと」です。
- 🔴 危険(赤紙): 建物への立ち入りが危険。余震で崩れる恐れがある。
- 🟡 注意(黄紙): 立ち入りには注意が必要。一部の損傷が激しい。
- 🟢 調査済(緑紙): 基本的に使用可能。
ここで重要なのは、「赤紙=解体」ではないということです。しかし、赤紙を貼られた拠点は、専門家の詳細な診断と安全確認が取れるまで数週間〜数ヶ月、**「使えない資産」**と化します。
判定士が「赤」を下す3つの決定的指標
判定士は非常に短い時間(外観調査が中心)で、以下のポイントをチェックします。
1. 建物の傾斜(沈下・傾き)
目視または下げ振りで建物の傾きを測ります。
- 赤の基準: 概ね 1/30(約2度) 以上の傾斜。
- 事前のチェック: 地盤が軟弱な場所や、不同沈下の兆候(基礎のクラック)がある建物は、揺れによって一気にこの数値を超えます。
2. 構造部材(柱・梁)の致命的な損傷
特に1階の柱に「X字型」のせん断ひび割れや、コンクリートの剥離、鉄筋の露出がないかを確認します。
- 赤の基準: 柱の主筋が座屈(折れ曲がり)している、あるいは階高が明らかに圧縮されている場合。
- 事前のチェック: 「ピロティ構造(1階が駐車場など)」の建物は、判定士が最も厳しくチェックする箇所です。
3. 落下・転倒のリスク(外装材・設備)
構造体が無事でも、外壁(タイルやALC板)が剥がれかけていたり、屋上の高架水槽が傾いていたりすると「危険」と判定されます。
- 赤の基準: 避難経路や公道に対して、落下・転倒の恐れが著しい場合。
- 事前のチェック: 外壁の浮きや、屋上設備のアンカー固定が腐食していないかを確認してください。
「赤紙」を回避するための事前対策:レジリエンスの証明
震災後に判定士を納得させ、早期に「緑紙」を勝ち取るための準備です。
- 構造ヘルスモニタリングの導入: 加速度センサーを設置し、揺れ直後に「損傷指数」を自動算出します。客観的なデータがあれば、判定士の主観に頼らず「構造的に安全である」と主張する強力な根拠になります。
- 耐震補強の可視化: 補強済みのステッカーや、診断報告書の要約を管理室に備え付けておきます。判定士に対し、「この建物はIS値0.6以上を確保している」と即座に提示できれば、判定の精度と信頼性が高まります。
貴社のオフィスや店舗が、「構造的には無事なのに、外壁のひび割れ一つで赤紙を貼られる」という不条理な事業停止を防ぎたいと思いませんか? 判定士の評価項目に沿って、有事の判定結果をシミュレーションする**「応急危険度判定・予備診断」を知りたい方は、無料で3分で完了する「耐震ウェブ診断」をご利用**ください。
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実務担当者が「今」できる自主点検リスト
- 「ピロティ柱」の補強有無: 1階が柱だけの構造の場合、袖壁の増設や炭素繊維巻き補強がなされているか確認。
- 「垂れ壁」のひび割れ: 窓の上の垂れ壁は、地震時に構造の歪みを真っ先に拾います。ここに深い亀裂がないかチェック。
- 「看板・室外機」の固定: 避難口の真上にある設備が、確実にボルト固定されているかを確認。
安全は「点」ではなく「線」で管理するもの
応急危険度判定は、震災後の一時点の「点」のイベントです。しかし、その結果を左右するのは、平時からのメンテナンスと性能向上という「線」の取り組みです。
「赤紙」は、準備不足への警告です。
判定士の視点を理解し、あらかじめ弱点を潰しておくこと。この「線」の視点でのリスク管理こそが、巨大地震の直後、周囲が混乱し立ち入り禁止となる中で、貴社だけが真っ先に事業を再開し、社会の復旧をリードするための、最も実践的な戦略となります。
貴社は、「運任せの判定」によって、社員を建物から追い出されるリスクを放置しますか? それとも、事前の精密なチェックによって、「緑紙」という確実な事業継続のライセンスを、いつ、手にされますか?
貴社の「建物の外観写真」と「構造図」から、応急危険度判定で「赤紙」が出る確率と、その原因となる部位を特定する「被災判定予測アセスメント」を作成しましょうか?



