耐震診断や改修計画を進める際、避けて通れないのが「コンクリートの強度が実際にはどれくらいあるのか」という問題です。特に数十年が経過した建物では、図面に記載された設計基準強度と、現在の「実力値」が大きく乖離していることが珍しくありません。
建物の壁や床から円柱状のサンプルを直接切り出す「コア抜き」調査は、非破壊検査では到達できない絶対的なエビデンスを提供します。この調査がなぜ重要なのか、その理由とプロセスを解説します。
図面上の「設計強度」に頼るリスク
古い建物の耐震性能を評価する際、図面の数値だけを鵜呑みにすることは、極めて不確実な土台の上に補強案を構築することを意味します。
- 施工品質のバラつき: かつての現場では、コンクリートの打設精度や養生管理が現代ほど厳格ではなかったケースがあり、場所によって強度に大きな差が出ていることがあります。
- 経年劣化(中性化)の影響: 長年の二酸化炭素の浸透により、コンクリートのアルカリ性が失われる「中性化」が進むと、内部の健全性が損なわれ、本来の粘り強さが発揮できなくなります。
- 想定外の「強度増進」: 逆に、順調に乾燥・硬化が進んだコンクリートは、設計値よりも遥かに高い強度(実力値)を持っていることもあります。これを知らずに設計すると、過剰な補強工事となり、無駄なコストが発生します。
コア抜き調査がもたらす「3つの決定的な価値」
サンプリング調査は、建物の「現在の健康診断書」を確定させる作業です。
1. 圧縮強度試験による「真の耐力」の確定
切り出したコア供試体に、試験機で垂直荷重をかけ、破壊される瞬間の荷重を測定します。
- メリット: 非破壊検査(リバウンドハンマー等)のような推定値ではなく、物理的な破壊試験に基づく「確定値」が得られるため、構造計算の信頼性が飛躍的に向上します。
2. 中性化深さの測定(フェノールフタレイン溶液)
コアの断面に試薬を噴霧し、赤紫色に変化するかどうかで中性化の進み具合をミリ単位で測定します。
- メリット: 鉄筋の位置まで中性化が達しているかを確認することで、将来の爆裂リスクや、建物の「余命」を正確に予測できます。
3. コンクリートの「密実性」と「骨材の状態」の目視確認
内部に空洞(ジャンカ)がないか、使用されている砂利や砂のサイズ・分布が適切かを直接確認できます。これは、図面からは決して読み取れない、現場の「施工の誠実さ」を映し出す鏡となります。
「実力値」を活かしたコスト最適化の戦略
コア抜きによって算出された「実力値」を構造計算に反映させることで、補強計画はより合理的になります。
- 「強すぎ」を活かす: 実力値が設計値を大きく上回っていれば、予定していた補強箇所を減らしたり、補強部材をスリム化したりすることが可能です。これにより、数百万円単位のコストダウンが実現するケースも少なくありません。
- 「弱さ」を補う: 逆に強度が不足している箇所がピンポイントで判明すれば、建物全体を画一的に補強するのではなく、必要な箇所に資源を集中させる効率的な投資が可能になります。
貴社の施設において、「古い図面しかなく、コンクリートが劣化していないか不安だ」、あるいは**「耐震補強の見積もりが高額すぎて、本当にそこまでやる必要があるのか納得感がない」という課題はありませんか? 壁から直接サンプルを採取し、建物の真の強度を証明する「精密・実力値算出プログラム」を知りたい方は、無料で3分で完了する「耐震ウェブ診断」をご利用**ください。
▶︎ [https://taishin-senmon.jp/diagnosis/ ]
実務担当者が計画時に注意すべき「3つの実施ポイント」
- 鉄筋探査との併用: コア抜きによって構造上重要な鉄筋を切断しては本末転倒です。必ず事前にレーダーやX線探査を行い、鉄筋を避けた位置に穿孔(せんこう)してください。
- 適切な「抜いた跡」の処理: 穴を開けた箇所は、高強度の無収縮モルタル等で確実に埋め戻し、構造的・防水的な弱点を作らないことが鉄則です。
- 統計的なサンプリング数: 建物の一部だけでなく、各階、各方位からバランスよくサンプリングすることで、建物全体の強度分布を正しく把握できます。
安全は「点」ではなく「線」で管理するもの
サンプリングコア抜きは、竣工時という過去の「点」の記録を、現在の「実力」という「線」に繋ぎ直す作業です。建物が経てきた数十年という時間の重みを、数値として正しく受け止めること。
「図面通り」という仮定を捨て、「実態」に基づいた設計を行うこと。
この誠実なデータ収集こそが、不測の事態において建物を確実に守り、無駄な投資を削ぎ落とす、最もインテリジェントな耐震管理の姿です。
貴社は、この**「見えないコンクリートの質」に対し、不確かな図面を信じて賭けに出ますか?** それとも、コア抜き調査という物理的なエビデンスによって、裏付けのある安心を、いつ、手に入れられますか?
貴社の「建物の築年数」と「これまでのメンテナンス状況」から、コア抜き調査を行うべき最適な箇所と、期待できるコスト削減効果を試算する「実力値算出・診断シミュレーション」を作成しましょうか?



